以前ご報告したとおり、愛車Cervélo R5 DISCは落車フレームをポッキリと折ってしまい、カーボンドライジャパンさんに入院中でした。でした、と過去形で書いたのは、そう、戻ってきたのです!
長い長い、修理完成待ちの時間…
見積の経緯は前回に記したとおりです。見積の時点で、すでに納期の目安が10週間となっていました。もちろんこの納期は混雑度によって大きく変わるかと思いますが、ワイズロードからカーボンドライジャパンに移った野澤伸吾さんのYouTubeチャンネルでは、ちょいちょいカーボンフレームリペア(補修)やその仕上げとなる塗装について紹介されています。
衝撃的だったのがこの動画。
こんな感じで、一本一本職人さんが手で修理をしていくわけです。フレームの補修が完了したら塗装です。
以下の動画は、カスタムペイントの例なので、フレーム全体をやっていますが、部分的であれ作業の流れは同じはず。
今回の補修では、CervéloのロゴとR5のロゴの復元もお願いしているので、これまた塗装職人さんによる手作業ですわ。
この2つの動画を見る限り、時間がかかるのは当然。ここは我慢、我慢。
見積書が届いて入金したのが9月8日、ここから10週間ということは11月半ばかな〜と気長に待っていました。
1ヶ月半ぐらいの間(ブルベには強行出場しましたがw)結局肋骨が痛くて何もする気が起きなかったんですが、身体が元気になるにつれて「早く乗りたいなあ」とウズウズしてきました。
まあInfliteがあるので、身体に障らない程度にバイクには乗っていたんですけどね。
発送メールが着弾!!
11月15日、その日は突然やってきました。
肋骨治療のための通院を終え、「まだ骨が完全ではないですが、あとはほっといても勝手に治るから治療終了」(意訳)となったまさにその当日でした。
お預かりしておりますcerveloの補修が完了いたしました。
本日佐川急便にて返送させていただきましたので
到着後ご確認の程宜しくお願いいたします。
ついに来ました、修理完了のメールが!
そしてメール受信の翌日には、青のボーダーシャツでおなじみの佐川急便が届けてくれました。
箱の上部には、手書きのメモで配達員さんに取り扱い注意を伝えるメッセージが。50歳に近くなると、こういう心配りには弱いww。

早速開封し、中を確認しました。
家が狭いので背景がうるさくて申し訳ないのですが、全体はこんな感じ。なんの違和感もございません!

見せていただこうか、カーボンドライジャパンの修理の質とやらを
では、修理をお願いした箇所の細部を確認していきましょう。
まずは360度の内、180度ぐらいまで割れてしまっていたシートステー。
実車を見たことがある人は分かると思うのですが、CervéloのRシリーズのシートステー、極細なんですよ。なので、正直修理前には、「修理した箇所だけが少し太くなっちゃんだろうな」と予想していました。が…、どこを修理したのか、まったくわからん!!レベルにまで達しています。写真を撮るにしても、ロゴから察するにこの辺だろう、という推測で撮っています。
左下にうっすらCervéloロゴの「C」が見えていると思いますが、その位置から修理箇所を推測してみてください。

続いてエンド部。こっちはドライブサイドなので、今回の落車ではなく、以前思いっきりぶっ倒した時にやっちまったものと推測されます。エンド部内側にクラックがあり、これによってやたらとリアディレーラーの固定が緩む(結果、トルクを欠けるとチリチリと異音がする)という症状に悩まされていました。
写真が若干角度が違っていて申し訳ないんですが、リペア前後の比較がコレ。

こっちも、どこを直したのか、全然わからんwww。正直、このクオリティにはかなり驚かされました。
補修前後の重量比較
さて、補修前後でフレーム重量がどの程度変わったか、確認してみましょう。
補修前に計測した値だと、Cervélo R5のフレーム単体(フロントディレーラー台座込み)の重量は806gでした。ちなみにサイズは54です。

そして、補修後の重量計測では、823g。およそ17gの重量増となりました。2カ所補修してこの程度で済んでいるってかなり優秀なのでは?

R5は、2021年のフルモデルチェンジで700g台前半となっていますが、まあメーカーの公称値というのは(未塗装時)とか、いろいろと地味な注記詐欺があるので、実際はどの程度なんでしょうね。
17g増えたとはいえ823g、ぼくのようなへなちょこライダーには十分すぎる軽さです。ちなみに、Pinarello・DOGMA F12のフレーム単体重量が820g(未塗装時)だそうなので、ハイエンドバイクとしての性能を毀損するような重量増ではありませんね。
カーボンフレームを補修することの意味
というわけで、補修後の状況についてご報告しました。
個人的には大満足の結果でした。が、人によっては「修理なんてしないで、買い換えればいいんじゃね?」と考える方もいるでしょう。このフレームは、定価で58万円に対して、12万円という費用を払って修理をお願いしています。
今回、修理・補修という決断に至った理由について、今一度明確にしておこうかと思います。
お金ないよ!
まず最初の理由は単純。買い換える金なんてねえ!。旧モデルとなってしまったとはいえ、R5 DISC LTDは軽量バイクのハイエンドフレームでした。同グレードのフレームを買い換えるとなると、かなりのインパクトです。
子ども2人、猫4匹という大所帯の世帯主として、50万円以上の買い物をホイホイできるほど裕福ではございません!
やっとポジション出たばっかりだったのでフレームを変えたくない
ポッキリとやった時点で、乗り換えて1年と2ヶ月でした。バイクを乗り換えたことがある方なら分かるかもしれませんが、以前のバイクからポジションをコピーしたとしても、すんなりポジションが決まらないんですよね。ステムを変えたり、ハンドル角やブラケットの取り付け位置、サドル位置などの微調整を少しずつ行っていながら今春のブルベを走り、「ああ、ようやくポジション出たな」と思った矢先の出来事でした。
買い換えたら、また同じポジションの試行錯誤の繰り返し。修理が完了したらポジションがすぐに出ている状態で復活できる、この意味合いはとても大きかったです。
つーかそもそも、めっちゃ気に入っていた
上に2つほど理由を書きましたが、もっとも大きな理由はコレ。単純に、乗り味がめっちゃ気に入っていたんです。
R5の評判でもっとも多く聞くのは「固い(堅い)」。そう、堅いんです。踏み込んだときにパワーが逃げることなくダイレクトに反応してくれる。堅さによる弊害である「乗り味の悪さ」や「ガンガン踏むので疲れちゃう」は、30cのタイヤを履かせてチューブレスで低圧運用したり、「そもそもロングライドなんだからガンガン踏まなきゃいい」という意識づけだけで乗り越えることができるんですよね。
ULTEGRA組+ディスクブレーキ+30cタイヤという、重量増の要素てんこ盛りの状態でも7.2kg程度の重量で収まってくれる。つまり軽量で乗り味もよく、スイスイスピードも出せる、そんなバイクとしてかなり気に入っていたんですよ。そう思うと、買い換えるんじゃなくて、修理しても乗りたいな、と。
修理して乗り続けるという選択肢はアリ
もちろん、修理という選択は、カーボンドライジャパンさんのようなサービスを提供してくれる企業が存在しなければ、取り得るものではありません。この記事を書いている時点ですでに組み直し+テストライドを終えていますが、乗り味の変化がゼロでることも確認済みです。このクオリティで修理してくれたカーボンドライジャパンさんには感謝しかありません。ありがとうございました!
気に入ったフレームを壊してしまったら、「修理」という選択肢も是非考えてみてください。
次回は、組み直しの過程〜テストライドをご紹介する予定です。
(追記:組み直しの過程とテストライドの記事をアップしました。)
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