少し冷静になってこれたので、この週末に行った成木峠(東京都青梅市)・仁田山峠(埼玉県飯能市)のライドをご報告。
いやもうね、自分の不運さがイヤになるね…。
不幸の前置き・タイヤを変えた途端
前置きが長くなってしまうのだけれど、今年のはじめに、VittoriaのRUBINO G+からCORSAへ履き替えました。ワンランク上のタイヤに履き替えた、ということ。
RUBINOはほぼ1年履きましたが、パンクは青森・八甲田山周回ライドでの1回のみ。しかもこれは「青森県道122号線、まさかの10km以上未舗装」に遭遇した結果なので、まあ理解できます。
それが、CORSAに履き替えた途端、2月の銚子へのライドでパンク。
そして先月、RaphaのRCC主催のクライマーズキャンプ@榛名山で2度のパンク。
うち1回は、がっつりとタイヤがえぐれてしまい、パークツールのタイヤブートでなんとかしのぎ、トレーニング終了後に高崎市内までタイヤを調達に行く羽目になりました。
という文脈があったことをまずはご報告しておきます。
不幸1: まさかの有間峠通行止め
というわけで今回の話。
法面崩落のためずっと通行止めだった飯能の有間峠が4月に通行OKとなったため、「すっかりレアな峠になってしまった有間峠に行ってみよう」が今回のライドのテーマでした。
ついでに、もう一つ峠を組み込もうと、そのちょっと南にある青梅の成木峠を組み込んでルートを引いてみました。
前日の夜ベッドに入ってから、ルートの再予習をしておこうと思って発見したのがカフェキキさんのブログ。
おいおい、ルート引き直しじゃん…。
まあ、以前引いたルートに行こうと思っていたので、簡単に言ってしまえば自分の下調べ不足なんですが、今になって思うと不幸はここから始まっていたのかもしれません。
結局、成木峠から名栗湖あたりをグルッと回り、仁田山峠を抜けて戻ってくるルートに変更しました。
不幸2: バッドデー?すぐに心拍が上がる
そんなこんなで朝8時頃自宅を出発(3kmほど走りボトルを忘れたことに気づき、家まで取りに戻るというプチ事件も)。
が、ちょっと踏むとすぐに心拍が上がっちゃう、
毎回、15kmぐらいまでは身体が重く感じるので「いつものことか」と思っていたのだけれど、どうも様子がおかしい。
「もしかして、疲れてる?」
2月にZWIFTを初めてから、FTPが上がるのが楽しくて週5日ローラートレーニングをして、週末にスケジュールが合えばロングライドへというトレーニングを重ねていました。
たしかにここ2週間位はローラーでも少し足が重かった。
オーバートレーニング気味なのかもしれません、そりゃそうだよね、もう40代半ばだもの。
ちょっとリカバリーについて真剣に考える必要がありそうです。
バッドデーなら、とりあえずあまり強度を上げずに走り、なんとかしよう。
と考えながらペダルを回していると、いつの間にか市街地を過ぎ、青梅市の田園風景に入りました。
圏央道の下を抜け、岩蔵街道、小曽木街道と乗り継ぎ、青梅と飯能とをつなぐ埼玉県道53号線へ。
この区間は東京では成木街道と呼ばれ、成木川沿いを走る気持ち良い風景に。
いよいよ成木峠にアタック開始
小沢峠前の分岐を左に行くと、成木峠に行くことができます。
ちなみに成木峠は袋小路のため反対側に抜けることはできず、登ったら同じ道を下って戻ってくる必要があります。
この分岐をスタート地点とすると、Strava上では距離およそ4.5km、平均斜度9%というのが成木峠のスペック。
斜度はそこそこなものの、まあ5km未満ならなんとか耐えられるかな、と思いながらスタートしました。
が、やはり「心拍がすぐに上がる」という状態で突っ込む峠じゃなかったです…。辛いのなんの。
ログ上では、これまでの最高心拍181bpmに次ぐ179bpmを記録。
いつもだったら高くても171bpmぐらいだし、35度という暑さもあってか発汗もひどく、やはり本調子ではないようです。
GARMIN上は8%〜12%の斜度を行ったり来たり。
特に斜度が二桁になると、とたんに足も回らなくなり心拍もぐっと上がります。
写真を撮る余裕もなく、ただひたすらにペダルを回すこと約30分、なんとか成木峠の頂上に到着。
バイクをそのへんに放り出し、傍にあったベンチにへたり込みました。
いやあ成木峠、体調が十分ではないことを差し引いても辛かったです。
地図で見てもわかるのですが、カーブの殆どは緩いRを描いていて、印象としては直上りに近い峠です。
斜度が高い上に変化にも乏しので、インターバルがかかるというよりも、ただひたすらに高強度で踏み続けることが必要。
逆に言うと、今日のような体調では臨んではいけない峠だったのかもしれません。
また、道中に開ける場所もなく、景色というご褒美が少ないことも、印象的にこの峠をキツイものにしているのかもしれません。
頂上にはサイクルラックもあり、反対側には湧き水も。
湧き水を頭に被り、さらに腕や足などに吹きかけ、上がりきった体温を下げて回復を図りました。
不幸3: 成木峠の下りでタイヤバースト
このあとに予定していた仁田山峠は距離的・斜度的にもたいした峠ではないため、「今日のライドはなんとか乗り切ったな」という少しの安心感を胸に下りを開始。
が、不幸はこの下りにまっていました。
途中、ちょうどグレーチングを超えたあたりで、
「パアァァァァッン!!」
その音と同時に後輪がグリップを失いました。
ちょうどグレーチングでスピードを落としていたため、落車の危険はありませんでしたが、この音は何度聞いてもいいものではありません。
さあ、パンク修理の開始です。
タイヤを外し、異物が刺さっていないかを確認。
異物どころか、タイヤが設置する中央部分、小石などで切ってしまうことがあるサイドにも特に異常はありません。
目視しづらいほど小さな穴が空いてしまったのだろうと考え、予備のチューブを引っ張り出してリムに装着。
タイヤをはめて、チューブがリムに噛んでないことを確認したあと、CO2インフレーターで一気に空気を充填します。
ここまではいつものパンク修理のルーティーンです。
違ったのはその後、CO2ボンベが空になるかそれぐらいのときに、
「パアァァァァッン!!」
血の気が引きました、修理している眼前で再度のパンク。
空気が抜けている場所を確認すると、なんとリムにタイヤをはめ込むビードに沿う形で、カッターで切ったかのように1cmぐらいの裂け目が…。
「なんだよこの切れ方、見たことねーよ!!」
さて困った、ボンベはあと一本ありますが、チューブの予備はもうありません。
再び走るには、
- チューブにパッチを当て穴を塞ぐ
- タイヤにタイヤブートを当て穴を塞ぐ
- タイヤにタイヤブートを当て穴を塞ぐ
という工程が必要。
先ほどから、汗をかきまくった自分の周りには特大サイズのアブがブンブン飛んでいるし、回復のため湧き水を浴びていたため、顔にはボタボタと水がたれてきて、お世辞にもいい作業環境とは言えません。
失敗できないことを考えると、その場でパンクを直すよりも、峠の麓にある休憩施設「成木の家」まで下り、そこで作業をさせていただいたほうが良いと判断。距離としてもおそらく3kmほどでしょう。
後輪は空気が抜けているためにほとんどグリップしません。
また、強い衝撃があるとホイールのリムやスポークが変形する恐れもあるので、スピードを上げずに、15kmぐらいの速度でゆっくりと下り、成木の家に到着しました。
管理人の方に事情を話し、陽の当たらない入口付近で作業させていただけることに。
この猛暑ですもの、大変助かりました。
タイヤブートをタイヤに貼り付けたところ、接着力が微妙。
CORSAに使ったときは「密着している」感があったのですが、MavicのYksion Proの場合、タイヤとブートとの素材相性の違いか、「接着」というよりも「粘着」で抑えるだけという感じ。
チューブにもパッチを当てて、恐恐と空気を入れてみると無事パンクすることもなく空気が充填されました。
粘着力とチューブの空気圧でブート位置が固定されている、という感じでしょうか。
一抹の不安を感じつつも、Googleで調べてみると「ブートが接着ではなく粘着で固定される」と記載してあるブログも見つけたので、まあ大丈夫かなと。
見えづらいので修理跡を拡大するとこんな感じです。
白く見えているのが、タイヤ内側から当てているタイヤブートです。
リムに沿うようにタイヤが裂け、それが空気圧で縦方向に伸ばされた結果、長い角丸のようなカットになっています。
空気が入っているからこう見えるのであって、タイヤだけで見るとほんとに気づき難い、カッターで切れ目を入れたような感じになっています。
どうやればこんなになるんだよ(怒)。
残念ながら、300kmぐらいしか走っていないこのタイヤ、再度の交換になりそうです…。
お小遣いリーマンライダーの財布にはかなりのダメージ。
有間ダム入り口の激坂を超えてダム周回
成木街道にふたたび戻ると、またまた登りです。
といっても距離はそこまでなく、青梅市と飯能市の境にある「小沢峠」で上りは終了。
開通を記念した仰々しい石碑が立っています。
こういうのといっしょに写真を取らないといけないのがローディーの性。
長いトンネルを超え、成木街道をひたすら進むと、埼玉県道70号線との交差点が見えてくるので左折。
ひたすらに53号線を走ります。
すると、見慣れたド派手な壁画が登場。
おなじみ、名栗湖(正式名称は有間ダム)横の激坂区間に入ります。
勾配はそこそこなものですが距離が900mと短いため、勢いでなんとかなってしまいます。
とはいえ、タイヤが微妙な状況なため、あまりトルクを掛けすぎず、軽いギアでくるくる回して登っていきました。
有間ダムに到着すると、あとは湖の周りを周回。
スタート地点に戻ってきたら、激坂を下り、県道53号線に再合流します。
不幸4: 仁田山峠途中でタイヤ完全死亡
53号線に戻ると、仁田山峠に向かう分岐点まではすぐそこ。
正式名称「原市場名栗線」という名前の林道に入ります。
入ってすぐに、直線上りが目に入るので、一旦ここで息を整え、体調とタイヤに慎重になりながらクライムスタート。
が、峠を2kmほど進んだところで…。
「あれ、なんかタイヤがグリップしない?」
「ん、なんかおかしい」
止まって確認をすると、はい、先ほど修理した箇所でブートがずれてしまい、同じ位置でパンクしていました (涙)。
チューブは、空気を入れた途端に再パンクしたものがあるので、それにパッチを当てれば利用できる状況でしたが、すでにボンベとタイヤブートは使い切ってしまっています。
となると選択肢は、
- DNF=ロードバイク保険を使ってロードサービスを頼む
- コンビニもしくはホームセンターなどまで、なんとかリムで走り、ガムテープを使ってブート代わりにしてタイヤを修理。携行していた英仏変換のアダプターを使い、空気入れを借りて充填
のどちらか。
だがしかし、携帯電話は圏外…。強制的に2番と相成りました…。
この時点で覚悟を決めました。
- どうせタイヤはダメになるので、リムで走るための衝撃吸収材として頑張ってもらう
- リムだけは守るため、できる限り後輪に荷重しないように、前荷重ダンシングでゆっくり進む
ことを。
仁田山峠を抜けて、県道53号線に再合流するまではおよそ15km。そこから飯能駅まではおよそ7kmぐらいといったところ。
その距離を、とにかくトルクを掛けず、タイヤのグリップに気を配りながら、上りでは6〜8kmぐらい、下りでは15kmぐらでゆっくりと走っていきます。
仁田山峠ですが、成木峠とは異なり、10%前後の坂があると思えばすぐに下り、また登る、というアップダウンの繰り返し。
Stravaで見ても、最初の1.5kmほどは登りますが、それ以降はアップダウンを繰り返していることが確認できます。
トルクをかけないで進むことだけを考えたクライミングなので、ギアはほぼインナーロー固定です。
おかげで峠がキツイ印象はほぼ皆無でした。
おそらく、仁田山峠の頂上と思われる、少し風景が開けたところで写真をパチリ。
ただまあ、いろいろあったおかげで完全にテンションダウン。
この後は写真を撮るモチベーションすらなくなっていました。
テンションダウンその後
結局、20kmほどリムだけで走り続け、なんとか飯能駅に到着。
Google先生に教えていただいた、東飯能駅そばの「サイクルハウスMIKAMI」さんに駆け込み、在庫のあった最も安いタイヤとチューブを購入。
写真出典: cyclesport.jp
ありがたいことに、店内でタイヤ交換の作業をさせていただきました。
いやほんと、大変助かりました。
数時間ぶりに後輪に空気が充填され、「自転車」の本来あるべき姿に。
なお、空気を入れていると、僕の体重とバイクだったらもう少し空気圧を下げたほうが良いとアドバイスもいただきました。
Rapha、RCCのメンバーともご交流があるようで、やっぱり自転車の街飯能はいいですね。
この場を借りてサイクルハウスMIKAMIの店長さんにはお礼を申し上げます m(_ _)m。
その後は、国道299号、463号と乗り継ぎ、所沢〜東村山と経由して西東京市に帰着。
最寄り駅の西武新宿線花小金井駅で行われていた「花小金井サンバカーニバル」を見に来ていた家族と合流し、一日が終わりましたとさ。
新投入のウェア・機材インプレなど
最後に、このライドに投入した新機材・ウェアなどの簡単なインプレをば。
Rapha CRIT PROTEAM JERSEY & BIBSHORTS
このライドでは、発売してすぐに完売状態になってしまいながらも、なんとか手に入れた『Rapha CRIT PROTEAM JERSEY』と『CRIT PROTEAM BIBSHORTS』を実戦投入。
日が落ちるまでは走らなかったので、ジャージ肩口に大きく散りばめられた反射性素材が活躍する時間はありませんでした。が、生地が非常に柔らかくよく伸びるため、足の動きを妨げないし、過度な締め付けもない。
ウェア自体も非常に軽いため、真夏のヒルクライムでも十分に使えることがわかりました。
まあ、FLYWEIGHTシリーズのほうが涼しいのだろうけど、どーせヒルクライム中はジッパー全開だしね。
Ilive オートテールライト
先日購入をご報告したオートテールライト。
シートステーに装着して走りました。
トンネルは小沢峠の一箇所のみでしたが、特別な操作も必要なく、自動で点滅していることを確認。
いちいちスイッチのON/OFFが必要ないというのは、思った以上に快適でした。
あとは耐久性がどの程度かな。
GARMIN Egdeリモコン
いや、これは思った以上に快適でした。
Edge 820Jのタッチパネルの評判は、まあ色んなサイトで言われていることなんですが、とにかく悪い。
なかなか反応してくれないので、トレーニングページを切り替えるのが億劫になってしまう。
なので、コーストレーニングとして地図を表示していると、もうずっと地図ページのままで、なかなか他のページを見ることも少なかったのです。
VECTOR 3(パワーメーター)も導入し、登りでは出力を見ながら走るようにしたかったのですが、このリモコンがあることで一気にいい感じになりました。
実売8,000円と安いものではありませんが、投入する価値は十分と思います。
この日の走行ログ
100kmちょいのライドにグロスで9時間以上かかっていることが、以下に悪夢のライドであったかを示してくれています…。
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