CANYON純正サイコンマウントに、CATEYEのVOLTシリーズライトを下付けできるように改造してみる

シクロクロス(CX)レース用のバイクとして使っているCANYON INFLITE CF SL 6.0 (2019)。このバイクはグラベルライド用にも使っています。レース用途だとライトなどの保安部品は取り外してしまうし、サイクルコンピューターも使わない(腕時計型のGARMIN ForAthelete 275Jを愛用中)のですが、グラベルライドとなると、やはりサイコンとライトは必須。
CANYONのステム一体型ハンドルには、専用のサイクルコンピューターマウントがリリースされているのですが、ハンドルバーの形状的にライトが付けにくいため、なんとかこのサイコンマウントに、ライトを下付けできるようにしたいとずっと考えていました。
やっとそれが適ったので、必要なパーツや方法をご報告。

目次

CANYON H31 Ergocockpitに交換

そもそも、CANYONのCX用バイクの中でカーボンのエントリーグレードであるCANYON INFLITE CF SL 6.0 (2019)。デフォルトでは、アルミのCanyon V13ステムとH17 Ergobar ALの組み合わせでアッセンブルされています。が、こいつがすさまじく重い。なんとその重量、444g。
CXバイクなので、短めステム+幅広ハンドルを使っているとはいえ、Cervéloのハンドル周りが300gを切っていることを考えると重い。

CANYON V13ステムとH17 Ergobarハンドルとの組み合わせ重量
CANYON V13ステムとH17 Ergobarハンドルとの組み合わせ重量

CXはバイクを担いで走るケースも多く、特にぼくが参加しているようなカテゴリーの低いレースだと、バイクを降りて走ったほうが順位を上げられることも多いのです。なら、やはり軽量化が有利。

そこで、純正のステム・ハンドル一体型コクピットCanyon H31 Ergocockpitを導入しました。

CANYON H31 Ergocockpit
CANYON H31 Ergocockpit

軽量化に加え、見た目もぐっとレーシーになる点もGood。ちなみに、総重量は322gで、およそ120gの軽量化。ステム長90mm、ハンドル幅420mmの重量です。

CANYON H31 Ergocockpitの重量
CANYON H31 Ergocockpitの重量

なお、CANYONのフォークは、他メーカーとはひとサイズ大きい31.8mmのコラム径を採用しています。そのため、コラムスペーサーやコラムアンカーは汎用品がなかなか見つかりません。必要パーツがセットになったCanyon H11 & H36 Aero-Spacer Kit: Aeroadも必ず注文する必要がありますので注意です。H31は商品名に入っていませんが、問い合わせたところこのキットがH31にも対応しているとのこと。

Canyon H11 & H36 Aero-Spacer Kit: Aeroad
Canyon H11 & H36 Aero-Spacer Kit: Aeroad

サクッと換装して走ってみましたが、うん、いい感じ。

CANYON INFLITE CF SLのハンドルを換装してテストライド
CANYON INFLITE CF SLのハンドルを換装してテストライド

ハンドル周りの汎用的な拡張性が一気に低くなる

が、ステム一体型のハンドルを採用する場合、軽量化や見た目のアップ以上のデメリットが生まれます。それがハンドル周りの汎用的な拡張性が一気に低くなること。
普通のステム&ハンドルの組み合わせであれば、ハンドルのクランプ部に31.8mmの円形パイプが残ります。ここに、サイクルコンピューターマウントやライトマウントなどの汎用的な拡張パーツを取り付けることができるんですが、殊にステム一体型のエアロハンドルとなってしまうと、ハンドル周りの拡張性が一気に失われてしまうわけです。

もちろん、メーカーもそれを考えており、ハンドルに合わせたサイクルコンピューターマウントを発売しています。CANYONの場合はCanyon Garmin Mountが用意されています。

Canyon Garmin Mount
Canyon Garmin Mount

サイコンの取り付けはコレを買えば解決なんですが、ハンドル周りにいろんなパーツをごちゃごちゃ付けるのが大嫌いなぼくは、このサイコンマウントの下部にライトをなんとか下付けしたいとずっと考えていました。もっと言うと、ヘッドライト周りはCATEYEの定番、VOLTシリーズを活用しているので、CATEYEのライトをCANYONの純正サイコンマウントに下付けしたい、と。

まあもちろん、上記の純正マウントではなく、レックマウントが出しているCANYON用のパーツを買えばすぐに実現できるのだけど、レックマウント=ハンドル周りのごちゃごちゃの象徴というイメージを勝手に持ってしまっているため、なんとか純正のものを活用したい、というのが本音。

CANYON純正サイコンマウントの取り付けピッチは20mm

ライトの下付けを実現する場合、ほとんどがGoPro用のマウントを下部に取り付け、GoProマウントをCATEYEのマウントに変換するアダプター (GPブラケット)を介してライトを装着するのが一般的。

CANYONの純正マウントは、サイクルコンピューター取り付け用のベースを装着するための穴が複数空いており、そのピッチは20mmに設定されています。ただし、GARMIN用のベースは縦にボルトで固定するかたちになっているので、

  • 固定のためのボルトが横並びであること
  • ボルト間のC-Cピッチが20mmであること

の条件を満たすGoProマウントがあれば、計算上はCANYONの純正サイコンマウントに取り付けることができる、ということになります。

CANYON純正サイコンマウントのボルト間ピッチは20mm
CANYON純正サイコンマウントのボルト間ピッチは20mm

残念ながら、定番のレックマウントはこのボルト間ピッチが異なるため使うことができません。いろいろと探した結果、K-Edgeのサイクルコンピューターマウント用のGoPro下部アダプターが適合することが判明。

K-Edgeのサイクルコンピューターマウント用の、GoPro下部アダプター
K-Edgeのサイクルコンピューターマウント用の、GoPro下部アダプター

実際に測ってみたところ、しっかりとピッチが20mm。

K-EdgeのGoPro下部マウントのボルト間ピッチはぴったり20mm!
K-EdgeのGoPro下部マウントのボルト間ピッチはぴったり20mm!

これはあくまでK-Edgeのサイクルコンピューターマウントのオプションパーツ。K-EdgeのサイクルコンピューターマウンはCervéloに使っていますが。マウント側にねじ切りがしてあり、付属のボルトで直接マウントと接続ができます。しかし、CANYONの純正サイコンマウントはねじ切りされていないため、取り付けにはさらに工夫が必要になってしまいます。

つまり、GoPro下部アダプターと純正サイコンマウントとを接続するためのボルトと、そのボルトを裏から支えるナットが必要になります。

  • GoProマウントとCANYON純正サイクルコンピューターマウントを挟み込み、かつナット留めが可能な必要最低限の長さがあるM3規格のボルト
  • GARMINベースを取り付けた際に干渉しない高さのナット

コレを探すのはもう、完全に現物合わせでした。マウントとネジ類をもって、ボルトをばら売りしているホームセンターへGo。結果、ボルトはM3x8、ナットは4mm以下のものをゲット。左は念のためM3x6サイズも買ってみましたが、さすがに短すぎて使えませんでした。

M3x8のネジと高さ4mm以下のナットコーナンPROで調達
M3x8のネジと高さ4mm以下のナットコーナンPROで調達

ベースを取り付けたままGoProベースを取り付けるという難問に遭遇

「これで必要なパーツが揃った!」と喜ぶのもつかの間、新たな問題が発生しました。

GARMIN用のベースは、CANYON純正サイクルコンピューターマウントの裏からボルト止めします。で、GoProマウントはその上からボルト止めする必要があるため、ベースを固定した状態で、ベースの裏にナットを仕込んでそこにボルトを入れて締め込む必要がある、という難題が突きつけられました。

いろいろと考えた結果、以下の方法でなんとか乗り切って、GoProマウントを取り付けすることができました…。大変だった。

  • GARMIN用のベースを取り付ける
  • ナットのねじ切り部分にロックタイトを塗布
  • ナットをピンセットを使ってベースの下に挿入。ロックタイトが若干の粘り気があるため、サイコンマウント自体を多少傾けてもズレないでその場にとどまってくれます
  • GoProマウントを手で固定しつつ下からロックタイトを塗布したボルトを通し、手で回る範囲でナットとボルトを固定する
  • GARMIN用ベースに少し空いている隙間から精密工作用の細いラジオペンチを突っ込み、ナットを固定しながらボルトを裏から本締めする

さすがに写真を撮りながら作業は難しかったので、完了後の写真になりますが、わかりますかね。GARMIN用ベースの隙間から少しナットが見えているのが。

GARMIN用のベースの隙間に見えるナット。この隙間にラジオペンチをつっこでんナットを固定して、ボルトを本締め
GARMIN用のベースの隙間に見えるナット。この隙間にラジオペンチをつっこでんナットを固定して、ボルトを本締め

ネットから飛び出るボルトの量はおよそ0.5mmといったところ。さすがにこのかかりだと緩みが心配だったので、ナットとボルト双方にロックタイトを塗布しておきました。結果、ロックタイトを塗布したことでナットが滑らずに一定の位置にとどまってくれたため、この作業がなんとか可能でした。

CATEYE純正のGPアダプターでライトを固定する(かなり堅くて難儀)

K-EdgeのGoPro下部アダプターをCANYON純正サイコンマウントに固定できれば、あとはCATEYEから出ている純正のGPブラケットを噛ませるだけ。

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が、コレがまた堅いのなんの。とにかく力を入れて、穴の位置が正しくなるように押し込み、最後はボルトを入れて無理矢理固定。

K-EdgeのGoPro下部アダプターにCATEYEのGPブラケットを無理矢理挿入してライトを固定
K-EdgeのGoPro下部アダプターにCATEYEのGPブラケットを無理矢理挿入してライトを固定

最後に、CANYON純正サイコンマウントをH31 Ergocockpitに固定して完了です。
ブレーキホースの長さと堅さにより、ここも意外と難儀しました…。

取り付けて実走テスト

この作業をした次の日は、一部グラベルを含むライドの予定があったため、早速そのライドで実走してテストをしてみました。

およそ95kmほどの行程で、かつ10%ほどトレイル・グラベルを含むルートでした。
取り急ぎ、今回のルートを走った限り、ネジの緩みやがたつきが生まれることなく、ロードと同様の使い勝手を再現できました。

終日、ライトはしっかりと固定されていました
終日、ライトはしっかりと固定されていました

とはいえ、ナット留めでなんとか運用している感じなので、今後何日も使うとボルトが緩んでくるかもしれません。
幸い、ライトはライドのたびに取り外しをするので、その際に気をつけてチェックしていきたいと思います。

いろいろと苦労しましたが、取り急ぎ当初の目的は達しました。
が、ぶっちゃけオススメしません(笑)。

CANYON純正サイクルコンピューターマウント+K-Edge-GoProアダプターで対応した今回のキットの合計金額:

  • CANYON純正サイコンマウント 3,900円(購入時点:2022年12月現在は4,300円に値上げ)
  • K-Edge GoPro下部アダプター 3,500円
  • 合計:7,400円

同じ状態をレックマウントのパーツで実現する場合:

  • CANYON H31専用 タイプα コンボ マウント (10ブランド対応モデル) [CANYON2α+GP]:7,150円 

ご覧の通り、レックマントを使った方が安いですし、作業性も高いはずです。

あくまで、コスト度外視で持っている純正のサイコンマウントを活用したいという場合のみ、かな。ちなみに純正サイコンマウントを使った今回のパーツでは、GARMIN Edge 1030はステムとツライチで固定されていました。レックマウントを付けた場合の仕上がりはわかりませんが、ツライチで仕上げたいのであれば、今回ぼくがした苦労を追体験してみてもよいかもしれません。

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