先日、ふらっとアマゾンを覗いていたところ、以前から気になっていたスマートテールライト「Cliq」が安くなっていたので、軽い気持ちで購入してみました。
先日、ブルベ400km完走のレポートを書きましたが、そのブルベに実戦投入してみましたので、レビューしてみたいと思います。
スマートテールライト・Cliqとは
Cervéloに乗り換えた際、シートポストの形状が一般的なラウンド形状からD型形状に変わってしまったため、それまで気に入ってたKnogのBlinder Mobが使えなくなってしまいました。いや使えるんだけど、ラウンド形状用に裏がカットアウトされているため、どうも固定に安定感を欠いてしまうのです。で、新しいリアライトを探さなきゃ、と思っていたところで、見つけたのがCliqでした。
この製品、もともとはHauteworks名義、「rayo」という名前でクラウドファンディングにより開発された製品で、その後継機にあたるもの。基本的な特徴は、
- 長距離用、短距離用、サイド用の3つのLEDを搭載
- Bluetooth+スマホアプリで、ライトの光量や点灯パターンをそれぞれのLEDごとにカスタマイズできる
- ブレーキランプ機能を搭載(アプリでON/OFFを切り替え可能)
- 盗難防止アラーム機能を搭載
- グループシンク機能(みんなで持ち寄れば、全員で同じ点灯パターンに設定できる)
- LEDごとに最大90ルーメンの明るさ
- 最長で 20時間のランタイムを確保
- IP67の防塵防水機能
てな感じで機能満載。やはり面白いのは、Bluetooth接続とアプリで、光量や点灯パターンをカスタマイズできる点。Hauteworksというメーカー名で販売されているものの、その名前で検索してもなかなか公式サイトがヒットしないのですが、どうもいまはオーストラリアのSmart Bike Lightsの名義で開発・販売が行われているようです。
スマートテールライトCliqの細部を見てみよう
まずは外箱から。なかなか高級感が漂いますね。Apple製品のよう。
んで本体。レンズっぽい造作になっているのが2つ見えますね。上が長距離から視認できるようになっていて、下が近距離用。真ん中辺にもう一つのLEDがついていて、それはサイドからの視認性を高めるようになっています。それぞれが最大90ルーメンの明るさを持っています。
裏面にはかなり分厚目のゴムの蓋が付いており、充電用のマイクロUSBポートが見えます(写真の写りが悪くてすいません)。
付属品はこんな感じ。左上からクリップマウント、ベースホルダー、クッションゴム、充電用マイクロUSBケーブル、ナイロンベルトを通すためのモール、ゴムバンドです。
ベースホルダーを中心にマウントの方法を変えることができます。以下はクッションゴム、ゴムバンドを使ってシートポストなどにマウントする例。
ベースホルダーの裏にクリップマウントを付けると、ウェアや鞄などに装着できるマウントに早変わり。
ちなみに、この間の400kmブルベでは、このクリップマウントを利用してサドルバックに装着しました。なおこのマウント方式では、多くのブルベ主催団体で「リアライトが装着されている」と認められないので注意してください(車体に固定してあることが条件になる場合がほとんど)。当日はCliq以外にも2つ、テールライトを投入しています。
もう一つ、ナイロンベルトなどに通して使うためのモールマウント形状にもなります。ベースホルダーの後ろに見える切欠からナイロンベルトを通し、裏を通してもう一つの切欠の部分からナイロンベルトを出すかたちでマウントします。
本体横には、3つの角度が付いた凹があり、ここに本体を固定することで、固定角度を変えることができます。
スマホアプリを使って設定をしよう
まずは充電。充電中に、Apple StoreもしくはGoogle Playから、設定用のアプリ “SmartGrid”をダウンロードしておきます。iOS版ではHAUTEGRID、Android版ではSmartGridという名前で公開されています。このあたりはどうも、(名前だけかもしれないけど)開発元が変わったことの影響が収束していない感じ。
スマートテールライトの電源を入れたら、アプリを起動してデバイスの追加をタップすると、近くにあるスマートテールライトを検出します。この画像では一度ペアリングしてテールライトの名称を変更した後、ペアリングをやり直しています。デフォルトでは、CLIQ_(固有の番号)という名前で検出されます。これでペアリングは終了ですね。
ペアリングしたデバイス名をクリックすると、そのライトの設定を変更できます。LIGHTING MODEは合計4パターンを設定でき、タップするだけでその設定に変わります。今回の例では、ランタイム重視の”The Longest”、それにブレーキライトをONにした “-Brake”、ランタイムと明るさの中間を取った “Medium”、明るさ優先の “The Highest”の4パターンを作ってみました。
LIGHTING FUNCTIONSの設定項目は、以下の通り。
- Eco Mode: バッテリーが少なくなってきたら、自動で明るさを下げ、30分ほどランタイムを延長できる
- Auto Sleep: 20秒間動きがない場合は自動で電源がOFFになり、動いたら再度点灯する
- Ambient Light: Cliqでは設定できないモードですが、周囲の明るさに合わせて照度を変える機能
- Theft Alert: 盗難防止モードのON/OFFを設定
Auto Sleepの状態にかかわらず、ライトをON/OFFするためのボタンも最下部に用意されています。
LIGHTING MODEのEDITをタップすると、各モードのLED点灯パターンを編集できます。それぞれのLEDに対して、点灯パターンと明るさをそれぞれ設定できるようになっていて、以下の画面は “The Longest-Brake”の設定ですが、消えている瞬間がないようにMIDDLEだけ点滅にし、TOPとBOTTOMのLEDはフェードに設定してみました。ランタイム優先のため、明るさは最低に設定しています。ぶっちゃけ、明るさを最低にしていても「道交法を守る」という意味では十分な照度で光ってくれます。
また、以下のスクリーンショットには載っていませんが、ちょっと上にブレーキランプの設定とグループシンクの設定項目があり、それぞれをON/OFFすることが可能です。
ちなみに、BluetoothでCliqとスマートフォンが接続されている場合は、Cliq本体にある青色のLEDが点灯します。「この状態だと、スマートフォン、ライトともにバッテリーが心配」だと思う方は、スマホ側のアプリを落としてしまいましょう。Bluetoothが接続されていなくとも、最後に設定されていたモードの状態を記憶しているので、そのまま利用可能でした。
400kmブルベでランタイムテストをしてみた
「最大20時間とうたっているがそのランタイムや如何に?」ということで、先日の400kmブルベで第3のリアライトとして実戦投入してみました。
作成したプロファイルの内、ランタイム重視の照度(TOP/BOTTOMをフェードにして明るさ最低、MIDDLEを点滅にして明るさ最低)に加えブレーキランプをONにした “The Longest – Brake”のプロファイルを選択して、スタート直前の朝6:45に点灯をスタート(Auto SleepもONにしています)。
スタートしてから15時間半後の午後10時6分、ちょうどPC4の伊東のあたりですが、まだまだ元気に光っています。
さらに時間は進み、PC5の藤沢。時間は午前2時25分ごろ、スタートして19時間以上が経過していますが、まだまだ元気でした。
結局400kmを21時間33分で走破しましたが、最後までバッテリーは残っていました。アプリを立ち上げてバッテリー残量を見てみると….なんと5メモリの内まだ2メモリ残っています!
うん、ランタイムに偽りなしでした。Auto Sleepはかなりしっかりと効いていて、ほんの少しの振動でも感知して光り始めます。この設定がランタイム向上に寄与したのかな。
この残り方だと600kmブルベでもギリギリ持つかもしれませんが、個人的には長距離ブルベには乾電池式のほうが安心なので、あくまでサブでの使用になるかな。まあ、ブルベでの使用はあくまで極端なランタイムを求められるので、デイライドなどであれば、中間の照度ぐらいでもかるく1日持つでしょうね。
実戦投入した上でのスマートテールライトCliqのメリット・デメリット
さて、設定してがっつり400kmライドで使ってみてのレビューをまとめます。
PRO / いい点
- 最低にしていても比較的十分な明るさをキープ、最大は「いつ使うの?」というぐらい明るい
- Auto Sleepはかなり正確に動いてくれるため、無駄なバッテリー消費が少ない
- 作り自体はかなりしっかりしていてよい印象
- アプリによる設定で動作を細かく詰めることができる
- 80km以上、雨とホイールスプラッシュによる砂っぽい汚れにさらされたが全く問題なし
CON / 悪い点
- メーカー名がHAUTE WORKSなのかSmart Bike Lightsなのかよくわからんのはブランド力を落としているよな…
- ソフトウェアのローカライズが中途半端(点灯パターンの選択は英語なのに選択すると日本語に変わるなど)
- (少なくともiOSでは)ファームウェアをアップデートしようとするとhost unknownで不可。これは致命的だけどアプリの修正で改善されるかも
- 本体が大きくかなり嵩張る(バッテリー容量とのトレードオフか)
- エアロシートポストには別売りのアクセサリが必要
という感じでしょうか。ようは、クラウドファンディングで開発された=開発元の資金力が不足しているということで、そのあたりのサポートがどこまで続くかが心配ですね。特にスマートフォンとの連携をキモとした製品なので、アプリがサポートされなくなるのは製品としての終焉を意味するわけで、モノがいいだけにそのあたりのサポートは頑張ってほしいなあ、と思っています。
このレビューを見て試してみたいと思った方、是非以下のリンクからご注文いただけるとうれしいです!
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