ブログをお休みしている間、ロードバイクに乗りに行く際にカメラを持っていくことが少なくなりました。が、やはりいろいろ行って思うのは、ロードバイクに乗っていった場所をしっかりと記録しておきたいということ。もちろん、iPhoneは携行しているので、気になった場所があればスマホのカメラで撮るのだけれど、カメラを持っていきしっかりと構図を考えながら写真を撮ることは、行った場所を楽しむことにつながるんだということが改めてわかりました。そんな思いが、ブログの再開にもつながっています。
ライドに行く際のカメラの使い分け
僕はライドに行く際にもっていくカメラを使い分けています。
フルサイズミラーレス・SONY α7 III
一番重いけど、もっとも面白い写真が撮れるのは、やはりセンサーサイズが最も大きいフルサイズミラーレス機、SONY α7 III。2年ほど前、清水の舞台から飛び降りる気持ちで買いました(笑)。レンズは単焦点のSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z)が多いです。焦点距離的にも使いやすいし、明るくよくボケる。それでいて(レンズは)軽い。
レンズは軽くてもシステムとしてはかなり重いですし、なにより高価なものなので、雨が降る心配がなく「今日は写真ライド!」と決めたときにしか持っていきません。以下は武蔵五日市・払沢の滝で撮った写真ですが、走ることよりも写真を撮ることを目的としたライドでした。
APS-Cサイズミラーレス・SONY α5100
APS-Cサイズのミラーレス機であるα5100。かなり古いカメラで、中古で購入しました。理由は、雨が降ったり落車してしまったりして壊してしまっても後悔がないよう、古いけどそれなりに写るカメラを買おうと。ボディの筐体にヒビがある個体だったので、ボディのみ15,000円ぐらいでゲットしました。
レンズはTAMRONの18−200mm F/3.5-6.3 Di III VCか、キットレンズであるE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS。グループライドの場合、前者のレンズをセットして広角からもライドの全体を狙い、望遠でメンバーの顔やバイクのアップを狙う。ソロの時は50mmもあれば十分なのでキットレンズです。いずれも明るいレンズではありませんが、構図に気をつければそれなりにボケてくれるので、そうした制約も含めて撮影を楽しみます。
1インチコンデジ・Canon Powershot G7X Mark II
なんだかんだで一番持ち出す機会が多いのは、1インチセンサーを積んだコンデジ、Canon Powershot G7X Mark IIです。もう5年ほど前のモデルになりますが、未だに現行品として売られている完成度の高いカメラです。18-100mm F/1.8-2.8という、明るくかつ広角も望遠も十分な焦点距離を持つオールマイティっぷりが気に入っています。
ロードバイクで、どうやってカメラを持っていく?
ロードバイクに乗って遠くへ、高い場所へ行くと、必然的に絶景に出会います。なので、ロードバイクとカメラというのは非常に相性のいい趣味なんです。が、そこに必ずついて回る問題がある。どうやってカメラを持っていくの?問題。言い換えれば、もっとも効率的に、走りを邪魔しないかたちでカメラを持っていくか、です。
んでもって、僕はロードに乗るときはカバンは持たない教の信者なので、カメラを持っていくからといってカバン類を身につけるのが苦手なもんだから、よけいに始末が悪い。カメラ+ストラップだけでの持ち運びこそ漢ってもんです。
むろん、雨とか落車とかでカメラを壊してしまっても泣かない覚悟みたいなものがあったりなかったりします。
いや、15万円するRX100VIIを壊したらたぶん泣く。絶対泣く。
となると、結局はどんなストラップで持ち運ぶのが一番いいのか?という問題に行き着くわけです。すなわち、ペダリングの邪魔をしない位置にカメラを固定しておき、撮りたいときにさっと撮れるストラップとは?ということになります。
ペダリングで最も邪魔にならない位置、まあ背中ですよね。いかにして、カメラを背中に固定しておくか。そこには2つのアプローチがあります。
ストラップをキツキツにして背中に固定する
ストラップをキツキツなるまで短くしておき、カメラを背中に固定しておく ー それが先人たちが見いだしたソリューションの一つです。撮影時には、ストラップを一時的に長くしてカメラを前に回し、撮影したらストラップを再度短くして背中側に回す、と。
こうした使い方を可能にしてくれるのが、いわゆる速写ストラップというやつです。最適なモノを求めて、これまでいろいろ買ってはトライしてきました。
diagnal / Ninjaストラップ
「ロードバイク カメラストラップ」でGoogle先生に聞いてみると一番多く出てくるのがこの製品でしょう、diagnalのNinjaストラップ(Amazon)。ほんとに簡単にストラップの長さを調節できます。
胸囲91cmの僕でもカメラがキツキツに固定することができました。しかし、
となり、結局使わなくなってしまいました。
ARTISAN & ARTIST / イージースライダー
次に試したのが、メイクアップアーチストが化粧品などを持ち運ぶポーチなどで有名なアルチザン&アーティストのイージースライダー(Amazon)というモノ。
この製品は、Ninjaストラップの「余ったストラップぷらぷら問題」を見事に解決してくれました。が、もうひとつ別の問題が。
品質も作りも気に入っていたのですが…ストラップ部分に滑り止めを貼ったりしましたが、今度はストラップ自体の伸縮にその滑り止めが影響してしまうかたちになり、使うのを諦めました。
BLACKRAPID / クロスショットブリーズ
もうひとつ試してみたのが、高級なカメラストラップとして有名なBLACK RAPIDの速写ストラップ、クロスショット・ブリーズ(Amazon)でした。
BLACK RAPIDはプロも使う製品ということで、かなり高質な製品群を提供してくれています。パッドも大きいため、フルサイズ機を抱えても重さを感じない。しかし…。
うーん、やはり専門的すぎると汎用性を失ってしまうのか。
BLACK RAPID / ビノキュラーブリーズ
で、最後に落ち着いたのがこの製品、同じBLACK RAPID社製のビノキュラー・ブリーズという製品。実はこれ、カメラ用ではなく双眼鏡用のストラップなんです。
これまで試してきた製品と違うのは、撮影の際にストラップを長くして、撮ったら短くするというアプローチではなく、ストラップ部分の弾力によって身体に密着させたり、身体から離してカメラの位置を変える、というものなんです。
全体がかなり短くなるので身体に密着するし、ちょうどRマークの入っているストラップ兼肩パッドが絶妙な弾力を持っていて、引っ張ると伸びる。なので、撮影しようと思ったら、
- 背中に手を回し、カメラを身体から離すような力を入れながら前側に持ってくる
- その勢いで右腕を抜く(僕は左肩に掛かるようにたすき掛けをするタイプ)
- 撮影する
- カメラを身体から離すように引っ張り右腕を入れる
- カメラを背中側に回す
というステップで撮影が可能になります。しばらくはこのストラップを愛用していました。
Peak Designのストラップが使いたい
ただ、カメラは当然、ロードバイクに乗るときだけ使うものではありません。ロードバイクに乗っていないときに使うほうが多い。そうすると、ストラップはあれこれ変えたいのです。そうした要望に応えてくれるのが、Peak Designの製品群。
カメラにはアンカーリンクといわれるパーツを付けておき、そのアンカーと各種ストラップとを結合する仕組み。カメラとストラップが1対1の関係ではなくなるため、ストラップとカメラのチョイスが大きく広がるのです。
現在、たすき掛けが可能なストラップとして、Peak Designからは3種類のストラップが発売されています。
- LEASH
- SLIDE LITE
- SLIDE
LEASHが最も細く、コンデジや軽めのミラーレスに、SLIDEが最もしっかりとしていてプレミアム名レンズをつけたフルサイズ一眼カメラに対応します。そしてこの3製品とも、前述の速写ストラップの条件である、素早くストラップを伸ばしたり縮めたりできる機能を持っています。
α7III用にSLIDEを愛用していますが、さすがにロードバイク用には向かないので、最も細いLEASHを追加購入しました。ストラップの幅は19mmと、1インチコンデジや軽めのレンズをつけたミラーレスには最適なサイズ感。ナイロンベルトも上質で、安っぽさは全く感じないPeak Designクオリティ。
LEASHに一手間を加えて最強のロードバイク用カメラストラップに
LEASHのスペック表によると、最小は830mmとのこと。実際に最も短くしてたすき掛けをしてみましたが、カメラを背中に固定するには十分の短さでした。ぶっちゃけ、このまま使うのでもいいのだけれど、BLACK RAPIDビノキュラーブリーズを使って感じていたある一つの欠点を解決しようと考えました。それは、「ストラップキツキツで背中に固定すると、キツくね?」問題。
背中に固定しておく本質的な意味は、ペダリングの邪魔にならない位置にカメラを固定しておくこと。であれば、別に無理に背中でなくとも、右脇腹あたりに固定されているのでも全く問題がないわけです。そこに固定でき、かつストラップをある程度緩めることができれば、キツくね?問題も解消される、と。
その答えはメッセンジャーバッグにありました。以下の写真は、メッセンジャーバッグブランド有名なCHROMEの公式サイトに掲載されているものですが、この白いラインが二本入ったベルトがキモです。そう、スタビライザーというやつ。
このスタビライザーを使うとあら不思議、メッセンジャーバッグは決めた位置から動かずに安定してくれるのです。この機能をLEASHに持たせれば、カメラは安定した位置に留まってくれるはずです。
バックルとナイロンベルトは普通に買うことができるので自作しようかと思いましたが、カメラを生業/趣味としている人の数はロードバイクの比ではない。何かそれを実現するものがあるのではないかと、Webを漁りまくりました。すると見つけました、同じくカメラストラップブランドOP/TECHのシリーズの中に。
日本の代理店である銀一のサイトではPDFのカタログが転がっているだけなので、本家のサイトを見てみます。OP/TECHはストラップの他、SYSTEM CONNECTORというシリーズでカメラの使い勝手を拡張するさまざまなパーツをリリースしています。その中にあるじゃないですが、Sternum/Under Arm Adaptorというそのまんまの名前のものが。使用方法の写真にも全くイメージ通りのものがあります。
スタビライザーとして、OP/TECH Under Arm AdaptorをLEASHに装着
OP/TECHのストラップは昔使っていたことがあり、ネオプレン製のふかふか肩パッドが印象に残っています。たしかヨドバシカメラで豊富に取り扱いがあったはずです。実際に新宿本店にいってみましたが、やっぱりありましたよ、在庫が。モノを確認できる実店舗って素敵、そのままお買い上げ。
左側に見えるプラパーツには切れ込みが入っています。ここにベルト部分を通して、それぞれのパーツを固定するかたちになります。
身体の前面に来る、LEASHのベルトが1枚構成になっている部分には、このような感じでパーツを固定します。
身体の裏側に来る部分はベルトが2枚構成になります。2枚のベルトをそのまま通してしまうと滑りが悪くなり、LEASHがもつ速写ストラップとしての「容易な伸縮」をスポイルしてしまうので、身体側に来る1枚の部分だけにパーツを取り付けます。
これを結合すると、スタビライザーとなる部分が完成です。
いい歳をしたおっさんが装着してみるとこんな感じ。
あとは、カメラを所定の位置においてみて、ストラップとスタビライザーの長さをいい感じに調整して完成です。
なお、ストラップが細くスムーズがゆえに、2枚構成のベルト部分が裏返ったりしてしまうのはLEASHあるあるなので、そこは得意のモビロンゴムを使って一工夫。2本ほど巻いて安定させておくと使い勝手が向上します。
実際にこの構成で400kmブルベを走ってみました。その後、RX100 Mark VIIを購入後の写真ポタでも使いましたが、うん、いい感じ。カメラはペダリングの邪魔にならない位置に固定されているし、スタビライザーを外せばすぐに撮影ポジションに移ることができます。
また、スタビライザーは外さずに背中側のアンカーからカメラを外すことでさらにカメラポジショニングの自由度が高まると同時に、カメラの落下防止にもなり安心です。
いまのところ、個人的にはこのストラップがロードバイクでカメラを持ち出す際には最強かな、と。唯一の難点は、フルサイズミラーレス+重めのレンズを持っていくと、LEASHのストラップ幅からして肩に食い込み痛くなる点。SLIDE LITEで同じモノを作れば、まあイケるかもしれません。
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