いやあ我ながら大枚をはたいたもんです。新しくロードバイク用のカメラとして、SONYの大人気RX100シリーズの最新機、RX100VIIを買っちまいましたよ。
ロードバイク用の最強カメラストラップを作るのエントリーで書きましたが、僕は3つのカメラを使い分けています。
- SONY α7 III
- SONY α5100
- Canon PowerShot G7X Mark II
使い分け基準は先のエントリで書いたとおりですが、このうちもっとも出番の多いCanon PowerShot G7X Mark IIを置き換えるかたちで使っていくことになると思います。
なぜPowerShot G7X Mark IIをCybershot RX100VIIに置き換えたか
PowerShot G7X Mark IIが発売されたのは2016年4月、すでに発売から6年以上が経過しています。が、いまだに現行品として売られています。それもそのはず、
- ワイド側f1.8・テレ側f2.8という明るいレンズ
- 35mm換算で24mm-100mmという使いやすいズーム域
- 1インチというセンサーサイズでスマホよりもきれいな画質
- 300g台前半というコンパクトサイズ
スマートフォンよりもきれいな写真を手軽に撮るというバランスにおいてとても秀でたスペックなんですな。なので僕もとても愛用していました。
が、この6年でデジタルカメラの世界は大きく進化しました。特に進化したのがAFのスピード。従来主流だったコントラストAFに変わり、像面位相差によるAFが多くのカメラに搭載されはじめました。この像面位相差によるAFがすさまじい。フォーカスが合焦するエリアも広いし、AF-C(コンティニュアスAF:SONY、CanonでいうところのAIサーボ)で一度合焦すれば、フォーカスは食いついて離れない。
そんなこんなでα7IIIを使うようになって、G7X MarkIIの能力不足を少しずつ感じていました。特にグループライドにいったとき。他のメンバーの写真をバイクに乗りながら撮る場合は、カメラを向けただけで画面を見ずにシャッターを切ることが多いんですね。そのときの合焦は基本カメラ任せになるわけで、カメラの能力に頼る部分がとても大きくなるのです。というわけで、後継機を何にするか、いろいろと探してみました。
後継機の選択基準
というわけで、後継機の条件・選択基準をリストアップしました。
- ある程度の使いやすい域を持つズームレンズを搭載していること(広角24mm、望遠は70mm以上は必要かな)
- センサーサイズは 1インチ以上
- 像面位相差AFを搭載していること
- 重量は、最大でも300g台で収まっていること
- 動画もそこそこ撮れ、できればマイク端子を用意していること
画作りとしてはむろん単焦点レンズのほうが有利です。ただ、ロードバイクに乗りながら使う以上、遠くの風景や近くの車体、メンバーの顔やバイクなど、さまざまな撮影シーンに対応したい。その意味では、ある程度のズームを積んでいたほうが使いやすいカメラになるでしょう。そのため条件1を設定。
条件2・センサーサイズはいわずもがな、大きければ大きいほどよい。
条件3は、G7X Mark IIの後継を検討するきっかけになったもの。像面位相差にこだわらずとも、AFの早さと追従性が高ければそれでよいのだけれど、スペックシートから判断する場合にはわかりやすい基準になる。
条件4は、やはりロードバイクで持ち運ぶ以上、軽ければ軽いほどいいわけで、G7X Mark IIから大幅な重量増は避けたい。
最後の条件は、今後すこしずつ動画の勉強もしてみたいと思っています。音声があまりよく撮れていない動画は好まないので、できればある程度のスペックの動画が取れ、音声も別マイクで撮ることができれば理想だな、と。
後継機候補
むろん、全ての条件をクリアできればそれに越したことはないのだけれど、価格面との折り合いもあるため、幅広く後継機候補を選んでみました。
- SONY Cybershot DSC-RX100VII
- SONY Vlogcam ZV-1
- Canon PowerShot G5X Mark II
- Canon PowerShot G7X Mark III
- Panasonic LUMIX DC-TX2
- Panasonic LUMIX DMC-LX9
- RICOH GR III
てな感じで候補を挙げました。次に、条件とスペックをそれぞれまとめてみます。
機種名 | レンズ/ズーム | センサーサイズ | AF方式 | 重量 | マイク端子 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
SONY DSC-RX100VII | 28-200mm f2.8-f4.5 | 1インチ | 像面位相差+ コントラストAF | 302g | ○ | スチルメインだが動画も撮れる 液晶は上下180度可動のチルト液晶 |
SONY ZV-1 | 24-70mm f1.8-2.8 | 1インチ | 像面位相差+ コントラストAF | 294g | ○ | 動画中心の機種 バリアングル液晶 |
Canon G5X Mark II | 24-120mm f1.8-2.8 | 1インチ | TTLオートフォーカス | 340g | × | G7X MarkIIのスチル性能をより強化したモデル |
Canon G7X Mark III | 24-100mm f1.8-2.8 | 1インチ | TTLオートフォーカス | 304g | ○ | G7X MarkIIの動画性能強化モデル |
Panasonic DC-TX2 | 24-360mm f3.3-6.4 | 1インチ | TTLオートフォーカス | 340g | × | 液晶は可動せず固定 |
Panasonic DMC-LX9 | 24-72mm f1.8-2.8 | 1インチ | TTLオートフォーカス | 310g | × | 180度チルト式液晶 |
RICOH GR III | 28mm f2.8 | APS-C | 像面位相差+ コントラストAF | 257g | × | けっこうレアな単焦点コンデジ |
すでにRX100VIIを購入した今となっても、比較表を見ると各機種特徴があって悩むなあ(笑)。最初の判断基準にしたのは、レンズの焦点距離ですかね。G7X MarkIIの24-100mmでも少し足りないことがあり、その対策としてα5100を追加している手前、やはり100mm以上の焦点距離はほしいなあ、と。この時点で、ZV-1、LX9、GR IIIは候補から落ちました。GR IIIのAPS-Cは魅力的だったけどな。
残るのはRX100VII、G5X Mark II、G7X Mark III、TX2。次に候補から落ちたのはTX2。坂道の斜度を表現するためにローアングル撮影などもするので、液晶が可動式ではないのは辛い。
最後はSONY対Canonの対決。言い換えれば、僕のメインカメラの新旧ブランド対決。決め手となったのはやはりAF性能でした。SONY機ではAF-C(コンティニュアスAF)、Canon機ではAIサーボに設定して被写体の指をフレームにいれ、シャッターを半押し。そのまま指を動かす。するとRX100VIIはフォーカスが指に張り付いて離れないのです。やはりこのAF、すごいなと改めて感心しました。
問題は値段。Canon機2機とRX100VIIの間には約5万円の価格差。まあ、清貧な生活を送りましょ。
SonyストアでRX100VIIをお買い上げ
機種が決まればあとはどこで安く買うかなんですが、SONY製品の場合、会員登録でもらえるクーポンを活用すると直販ストア/サイトで買うのが一番安くなります。また直販の場合は、3年ワイドの保証が無料で付くなどの特典もあり、常に落車や天候変化のリスクがつきまとうロードバイク用カメラでは、保証はけっこうな魅力だったりします。というわけで価格調査にはあまり時間を費やさず、Sonyストアで購入することに決定。
ただカメラもコロナ禍による半導体不足の影響をもろに受けており、在庫があるのはRX100VII単品ではなくシューティンググリップキットのほうでした。グリップ要らないかも〜と思いつつ、クーポン分を考えるとおまけで付いてくる計算になるため、シューティンググリップキットを選択しました。
んでもって着弾!シューティンググリップキットの箱。なんかYouTuberっぽい。パッケージに表示されているマイクは含まれませんので注意。
シューティンググリップキットの箱の中には、もう一つ箱がドン。こっちがカメラ本体の箱ですね。
付属品は本体、USBケーブル、リストストラップ、チャージャー、ストラップアダプター、バッテリー。
シューティンググリップキットには、シューティンググリップとベルベット調の外袋、リストストラップが付属。
さらにブラケットと予備バッテリーも1個。
SONY RX100VIIの外観
つづいて外観を見ていきましょう。まずは正面。15万円もするだけあって高級感がすごい。でも、これはつるっと滑って持ちにくそうだ….
次に背面。180度可動式のチルト液晶。親指をかける部分にゴムのグリップが。これだけじゃやはり、安定性に不安がありそうだということで、追加でグリップを購入しました。
つづいて左側面。ファインダーを出すためのスイッチが一つ。このスイッチを押してファインダーを出すだけで自動的に電源がONになるのが素敵。Nマークはスマホとの接続を容易にするタッチエリアです。
右側面には各種I/Oポートが。上からマイク端子、USBマルチ端子、HDMIポートです。既存のアクセサリーとの兼ね合いか、USBマルチが未だにMicro USBなのが惜しいところ。
RX100VIIにPeak Designのアンカーリンクを通す
ストラップは、最強のロードバイク用ストラップとしてご紹介したPeak DesignのLEASHを使う予定です。そのためには、Peak Designシステムの要であるアンカーリンクスを通す必要があります。
RX100VIIのストラップホールは小さく、アンカーリンクスのひもは太い。ここは無理矢理通します。釣り糸を用意し、まずはこの釣り糸を予めアンカーリンクスに通します。別に釣り糸でなくともよいのですが、強度がありできる限り細いひもを使うとやりやすいです。
続いてこの釣り糸を本体のストラップホールに通します。
で、この釣り糸を必死の思いで引っ張るのです。
指がもげるかと思いましたが無事通りました。
いっしょに買ったアクセサリー
実機を見に行った際に「ああこの機種は滑りそうだ」と調査済み。なので到着までの間にamazonでケース兼グリップを頼んでおきました。KOOWLというメーカーのケース兼グリップです。
KOOWLケース
一応ケースなのですが、作りとしてはリグに近い作り。かなり厚めのCNC加工のグリップ。
底部もCNC加工のアルミパーツにグリップをネジ止めしていて、さらに革を貼り付けた感じ。カメラ全体が底上げされるので、落車などで底部を擦ってしまっても傷はケースのほうにつき守ってくれそう。カメラの三脚穴を使って固定しますが、ケースにも三脚穴が切られています。
ただし、ケースを付けたままだとバッテリーやメモリーカードの取り出しはできません。また、サイズはジャストフィットなものの、おそらく設計はRX100VI以前なんでしょう、新たにマイクポートが追加されたことでI/O類が全体的に下がったため、一番下のHDMIポートと干渉してしまいます。僕はあまりHDMIポートを使う機会はないのですが、よく使う方は気をつけた方がよいかと思います。
Carry Speed / MAGFILTER
RX100VIIは、そのままではフィルタ類を装着することができません。そのため、日中に遅いシャッタースピードで面白い撮影をしようとしたら、露出オーバーになること間違いなし。また、できればレンズガードも付けたい。
ということで、脱着可能なフィルタアダプターであるCarry Speed社製のMAG FILTERを購入。
内容物はレンズ先端に両面テープで留める金属製パーツx2、その金属製パーツにマグネットでくっつくフィルターアダプターx1、フィルタ+アダプターを持ち運ぶためのネオプレン製ケースでした。
前述の金属製パーツを、レンズの先端に両面テープでくっつけます。
この金属製のパーツとフィルタアダプターとが磁力でくっつきます。けっこうな磁力があり、フィルタアダプターで持ち上げてもカメラごと持ちあがりましたので、落下の心配はなさそう。
電源をONにしてレンズが飛び出すと、こんな感じ。ちょっとぶかっこうかもしれませんが、機能を果たしてくれればそれで十分ですし、手軽に外すこともできます。
こんな感じで、購入とアクセサリーのセットアップは完了しました。あとはこのカメラで遊ぶだけ!600kmブルベでロードバイクカメラとしてシェイクダウンの予定です。
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