関西のヒルクラメッカ十三峠・葡萄坂に生粋の東京人が挑んでみた

柏原ぶどうの看板

先日、久しぶりの大阪出張がありました。
ここぞとばかりに翌日に有給休暇を取得し、仕事の荷物もそこそこに(笑)、ロードバイクを輪行して大阪入り。

目次

1年ぶりの近畿地方でのライド

出張はほぼ3年ぶりぐらいですが、昨年の春に休みをとって近畿地方には来ています。
その時は、
1日目:京都をグルッと回り山中越をして滋賀入り (60km)
2日目:滋賀の草津を拠点として、北湖・南湖を含む215kmの琵琶湖一周(通称ビワイチ)
3日目:滋賀から奈良市内への移動 (60km)
4日目:奈良市内から暗峠を通って大阪入り&帰京
という、まさに「ツール・ド・近畿」的なコースを走りました。

今回は、移動も考えるとほぼ半日という限られた時間であったため、ビワイチのようなマイルストーン的なライドは無理。
というわけで、関西の方々が普段のヒルクライムトレーニングで使っている「メジャーな峠に行ってみよう」をテーマにしてみました。

関西ヒルクライムTTを見てコースを決める

というわけでルート決めの参考とさせていただいたのは、関西ヒルクライムTTさん(およびその資料室。)

関西のローディーさんたちが、コース別にヒルクライムのタイムを競い合う、まさに関西ローカル版のSTRAVAといった様相。
ここで人気のコースをいくつか選択し、宿泊する大阪市内&帰京で使う新大阪までのアクセスが良いルートを引いてみよう、と。

多くのタイムが登録されているのは、

  • 十三峠
  • 清滝峠
  • 葡萄坂
  • 勝尾寺

の4コース。

以下、STRAVAのそれぞれのコースプロファイル。

十三峠

清滝峠

葡萄坂

勝尾寺

どこも距離としては4km前後、トレーニングに使う峠としては標準的な距離ですね。
斜度は、十三峠が9%程度と比較的勾配が強く、清滝峠と葡萄坂が7%、勝尾寺が5%。
トレーニングの強度としては、7〜9%が理想なので、まあスペック的にはどこに行ってもいいかな、って感じ。

大阪中心部との位置関係

宿泊地は梅田、ライドの後は新大阪に向かい新幹線で帰京します。
そのため、各峠の位置関係と市内へのアクセスが重要。

こうしてみると、勝尾寺のみが大阪北部京都との府境に位置、残りの3峠は東側奈良との県境に位置しています。

4つの峠をマッピングしてみた

4つの峠をマッピングしてみた

できれば2つの峠に行きたいので、組み合わせとしては清滝峠+十三峠、もしくは十三峠+葡萄坂、という組み合わせ。
帰りの体力を残しておきたいので、できれば70km程度の走行距離がいいなあと思いそれぞれルートを適当に引いてみる。

すると、十三峠+葡萄坂の組み合わせが、だいたい70km弱と良い感じ。
せっかくなので、ライドが終わったら所属するRaphaサイクリングクラブ (RCC)の大阪でランチをしようということで、以下のようなルートになりました。

大阪市内は碁盤目の一方通行

さすがに出張グッズを全部もってヒルクライムはキツイので、荷物は最小限にして、残りは全部コインロッカーに預けました。
そこから御堂筋(国道25号線)の淀屋橋交差点に移動して、いざスタート。

大阪市街地の道は、東京以外で生活をしたことがない僕にはとても新鮮。
道路が碁盤目のように敷設されていて、大きな道は一方通行が多い。
スタート地点の淀屋橋がある御堂筋などは、メイン4車線に加えて、一時停止や左折、右折などのスピードが遅い車のための側道が左右に1車線ずつという、計6車線が一方通行。これは結構壮大な風景でした。

6車線に渡って一方通行の御堂筋

6車線に渡って一方通行の御堂筋

一方で、RideWithGPSやルートラボなどを使って自動でルートを引くと、交通規制が多いせいか、無駄に遠回りをさせられたり、市街地のブロックを一周させられたりで、なかなかうまく機能してくれません。
そのため、「道路に沿う」機能ではなく、「直線を引く」機能を使ってルートを引いたのですが、前述した一方通行規制にハマることが多かった…。
一方通行を逆走することになってしまうため車道通行ができず、さらに歩道に「自転車通行可」の表示がない場合には、別の道を選択する必要があるなど、大阪中心部は規制をしっかりと考えながらルートを引く必要があるようです。

こうした「一方通行トラップ」が山盛りなのは大阪市中心部から5km圏内ぐらいなので、それを超えればまあ東京の市街地を走るのと大きな違いはありません。
「大阪のドライバーはマナーが…」などの話も聞いたことがあるのですが、今回のライドでは特にそんな感じはしませんでした。

十三峠入り口にたどり着く頃には灼熱地獄に

そんなこんなで、大阪市街地はあまりスピードを上げられずに完全にローリングモードでした。
とはいえ、先日ご報告した成木峠・仁田山峠ライドよりも脚は回っている感覚があり、今週はローラー連を止めてリカバリーに徹していたことが功を奏しているのかもしれません。

およそ23kmほど走ると、十三峠の入口である八尾市の大竹7丁目交差点に到着。
スタートする前は「せっかくだからTTにチャレンジしよう!」と思っていたのですが、到着する頃には気温が上昇、灼熱の暑さです。
それもそのはず、この日の天気予報では38度と予想されています。Garminの温度計は39度を表示。
正直、追い込んだら死ぬレベルの気温です。
実際、十三峠入り口に到着する前の段階ですでにボトルを一本消費しています。たいして踏んでいないのに、です。
という状況だったので、追い込まず「とにかく回して登り切る」ことを目標にスタートしました。

十三峠のスタート地点「大竹7丁目交差点」

十三峠のスタート地点「大竹7丁目交差点」

序盤は市街地ですが、この時点で斜度はそこそこあります。
序盤の1km程度はだいたい7〜9%程度と、きつすぎずゆるすぎずの斜度が続きます。
本番は1km過ぎてから始まり、この区間はだいたい10〜12%でほぼ固定です。
最後の500mぐらいで若干斜度が緩むようですが、基本的には道中この斜度でほぼ固定だと思って大丈夫なようです。

にしても、暑い。とにかく暑い。
シッティングからダンシングに切り替えると、すぐにドバっと汗が出てきて、心拍も上がります。
この気温だと、脚の残り具合と心拍のコントロールとのバランスを取るのがすごく難しい。
10%以上だと、シッティングとダンシングをリズムで使い分けて登ることが多いのですが、これだけ暑いとなるべくシッティングで心拍を上げないように走ります。

幸い、一部長い直線登りはあるものの、基本的にはつづら折れで登っていく峠なので、車の往来の状態によってはコース取りで斜度の変化をつけることが可能です。
この日は平日の昼ということで車通りはほとんどなかったため、カーブミラーを確認しながらコーナーは大回りし、そこで息を整えながら登っていきました。

そして大阪市内が見下ろせる十三峠ゴール地点に到着。

十三峠ゴール地点に到着

十三峠ゴール地点に到着

うん、トレーニングには最適な峠ですね。
基本的にはアップダウンではなく、ほぼ一定の勾配が続く峠です。
とはいえ、適度につづら折れがあるので、TTなら斜度の高いインを使うなどコース取りで強度を変えることもできます。
アップにも追い込みにも使えるでしょうし、道中こそ景色のご褒美は少ないですが、頂上からはそこそこきれいな景色を望むことができます。

関東でいうと、短めの白石峠というか、ワインディングのある成木峠といった感じかな。
市街地から20kmぐらいでこんな峠がある環境、ちょっとうらやましい。

十三峠を下り、葡萄坂へ向かう

ルートを引いたときには、奈良側に降りるルートを考えたのですが、「大阪の人がどんな坂でトレーニングしているのか?」を感じる意味では、大阪側から葡萄坂を登りたかったのです。
そのため、ヒルクライムのルートをそのまま下り、信貴山?(というか大阪と奈良の間にある山脈)の尾根沿いに走りつつ葡萄坂に向かうルートを使いました。
最終的には、国道170号線の旧道をひたすら南下し、葡萄坂のスタート地点である大県南交差点を目指します。

葡萄坂のスタート地点「大県南」交差点

葡萄坂のスタート地点「大県南」交差点

スタート地点にはセブンイレブンがあるので、本日3本目の水とコーラで補給します。
それにしても暑い…。おそらくこの時点で体感は40℃を軽く超えていたと思われます。
コンビニでは、ガチっぽい女性ローディーが体にペットボトルの水を浴びてクールダウンしていました。

補給も終わり、葡萄坂のスタートです。

十三峠よりも景観がいい葡萄坂

前述したとおり、葡萄坂の平均斜度は7%程度と、十三峠の下位互換的な感じ。
適度にワインディングしている点も同じで、十三峠よりもスパルタンではないトレーニングルートだと言えるでしょう。

住宅地を含む序盤1.2kmは、10%を超える坂がちょいちょい出現しますが、中盤以降は勾配も緩み、適度なコースの変化もあるため非常にペースト心拍とを作りやすいルートです。
ずっと草木に覆われた感のある十三峠よりも景観が開ける場所が多く、大阪の平野を登りながらでも見渡すことができます。
また、名前の通り、道中の斜面にはぶどう畑が広がっており、雰囲気もそこそこ。

斜面に広がるぶどう畑

斜面に広がるぶどう畑

葡萄坂のある大阪府柏原市はワインが特産とのこと。
残念ながらアルコールが全く駄目な人間なので、ワインを楽しむこともできないんですが。

そんなこんなで登っていると、関西電力の信貴変電所のゲート前に到着。
ここが葡萄坂のゴール地点のようです。

葡萄坂ゴール地点

葡萄坂ゴール地点

いいですね、葡萄坂。
トレーニングしたいけど、十三峠ほど強度を上げたくない場合にはとてもいいコースだと思います。
こちらも東京の峠に置き換えるとどこが一番近いかな…、強度的には都民の森を奥多摩川から登った感じに近いけど、序盤のちょっとした激坂をスパイスに加えた感じかな。
まあ、都民の森は市街地からは程遠い場所にあるので、峠の雰囲気は全く違うんですけどね。

いずれにしても、市街地からすぐのところに十三峠や葡萄坂のような「ヒルクラトレーニングにはもってこいの峠」がある時点で、環境に恵まれているといって良いのかもしれません。

葡萄坂のダウンヒルでは、名前の元にもなったおおきな「柏原ぶどう」の看板をパチリ。

柏原ぶどうの看板

柏原ぶどうの看板

スタート地点に戻った後は若干南に出て国道25号線に入り、ひたすら大阪市内まで北上。
その後、Rapha Osakaに立ち寄り、コーヒーとモッツァレラチーズのサンドを美味しくいただきましたとさ。
そして、新大阪駅そばの「天然温泉 ひなたの湯」で汗を流し、無事東京に帰京しました。

この日の走行ログ

あともうちょっとで1,000m登れたんですが、とにかく暑かった。もうそれだけ。

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