Hoka One One・Asicsのランニングシューズの耐久性について(前編)

トレーニングサマリーRunカテゴリーのエントリーで散々紹介していますが。僕はサイクリング(ロード&シクロクロス)をメインに、ランもトレーニングに取り入れています。昔はランが大嫌いでしたが、シクロクロスで悔しい思いをしてトレーニングに取り入れて以降、「ランもなかなか楽しいじゃん」と思い始めています。

機材スポーツであるサイクリングを楽しむものの悲しい性のひとつに、すぐに機材に投資したくなるというのがあります(笑)。身体一つで走るランニングにとって、かなり重要な機材がランニングシューズです。

自分の走り方がわかっていなかった時期こそ普通のスニーカー(Nike Renew Run)で走っていましたが、少しずつペースを上げられるようになってからは、ランニングシューズを慎重に検討するようになりました。

目次

足に合うランニングシューズを見つけるまでの道のり

今のランニング界の潮流になっているのは、反発弾性の強い厚底シューズ、特にNikeのシューズが市場を席巻しています。まずはその流れに乗ってみようと、Nikeのヴィパーフライ3(ペース走用)、ズームライバルフライ3(ジョギング用)を購入。が、いまいち自分の走り方に合っていない感じがありました。速く走ることはできるのですが、身体への負担が大きい、そんな感じでした。

Nikeのシューズは、ドロップ(かかとからつま先間ので下がり具合)を強くして前に転がる感じを出し、クッション性と反発性を生むミッドソールを搭載するようなアプローチを採用しているシューズが多いように思います。YouTubeをはじめ、いろいろと情報を収集していると、それとは別のシューズ構造のアプローチがあるようです。それが、ドロップは弱くしつつも、ソールの形状や剛性によって体重を前にかけると自然に前に転がるようなアプローチ。ASICSやHoka One Oneはこうしたアプローチで多くのシューズを出しているようでした。

そこで、ASICSのMagic SpeedとHoka One OneのRINCON 2を購入して走ってみました。するとこれがかなりいい感じ。重心を高めに、そして少し前傾するフォームを維持しながら脚を前に着地させるだけで、シューズがコロンと前に転がってくれる感じがあり、安定感もあるのでミッドソールの反発をコントロールせずとも自然に脚が前に進んでくれます。「ああ、こういうアプローチのシューズが脚に合っているんだな」と思える瞬間でした。

気に入ったものはできるだけ大事に長く使いたい。ランニングシューズの場合は、やはり使い分けが大事になってくるとのこと。走るペースや目的によって以下の3タイプに分けて、シューズを追加していきました。

  • デイリートレーナー:ジョギングや距離走など、比較的ゆったりとしたペースで脚にダメージがこないシューズ
  • テンポアップシューズ:比較的速いペースで走り続けるためのシューズ
  • レースデイシューズ:言葉通り、レースで履くためのシューズ。いつかランの大会にも出てみたいものです

シューズのタイプ分類と使い分けの大事さは、RunTripさんの動画を参考にさせていただきました。

本題:100km走破後の耐久性

さて、前置きが長くなってしまいましたが本題です。そんなこんなで追加しまくってきたランニングシューズの走行距離が軒並み100kmを超えてきたので、それぞれのシューズのレビュー(というか簡単な寸評)とともに、それぞれの耐久性をについて確認していきたいと思います。ご紹介するシューズは以下。ASICS1足とHoka One One4足というかなり偏ったチョイスです。
ちなみにいずれも普段履きにはしていないので、純粋にランニングだけの距離です。

メーカー名モデル名シューズタイプ’現時点での走行距離レビュー
ASICSMagic Speedテンポアップ /レースデイ258.9kmこの記事
Hoka One OneClifton 8 (WIDE)デイリートレーナー205.0kmこの記事
Hoka One OneRincon 2テンポアップ/デイリートレーナー158.9km後編
Hoka One OneMach 4テンポアップ147.4km後編
Hoka One OneCarbon Xレースデイ102.0km後編
今回レビュー&耐久性を見ていくシューズの一覧(走行距離順)

ASICS Magic Speedのレビューと耐久性

ひとつめは、最も走行距離が多いASICSのMagic Speed。ちなみにレビューにあたり写真写りの観点から全てのシューズを洗っています。

ASICS Magic Speed
ASICS Magic Speed

ASICS Magic Speedのレビュー

「魔法のように加速する」がキャッチコピーのMagic Speed。反発性とクッション性を備えたFF Blastという素材をミッドソールに使い、前足部にカーボンプレートを搭載。つま先部分が弓状に上がっており、特にこの部分の屈曲剛性が高くなっており、体重を前にかけるとソールがその形を維持したままコロンと前に転がる。
カーボンプレート搭載ながらも230gと十分に軽量。ASICSの製品カテゴリでは、サブスリー(フルマラソン3時間切り)のランナー向けと紹介されています。ある意味でランニングシューズとは?というのを僕に教えてくれたシューズでもあります。

出典: ASICS Magic Speed公式ページ

アッパーは非常に軽量で、かかとにはズレないようなサポートが入っていますが、かかと以外のサポート力はあまりありません。なので、必然的にアッパーの素材感とシューレースでフィット感を出す仕様。素材はかなり伸縮性があり、シューレースも伸縮性があり柔らかいものを採用。ちゃんとシューレースで締めてあげれば、フィット感不足を感じることはありません。

走っていてもとにかく足の運びが軽く、前に進む感じがします。230gという重量以上に軽く感じ、とにかくペースを上げても疲労が少ない点が気に入っています。

アッパーがペラペラということもあり、購入したときには耐久性が心配でしたが…、はたして250km以上を走った後ではどうなっているか。

ASICS Magic Speedの耐久性 (250km以上走破後のシューズの状態)

ぶっちゃけ、想像以上に耐久性が高いシューズです。先ほどの外観の写真をご覧いただきましたが、あれは250km走破したあとのものです。つまりアッパーには顕著な劣化が見られないのです。一方、サポートが入ったかかと部分には、少し使い込まれた感じがあるものの、破れたりすることもなく、まだ倍以上の距離走れそうなほどしっかりしています。

かかと部分がすこし使い込まれた感じはあるが、まだまだイケそう
かかと部分がすこし使い込まれた感じはあるが、まだまだイケそう

いちおう厚底シューズに区分されているので、比較的反発弾性の高いミッドソールを搭載しているのだけれど、250km走ったぐらいではミッドソールへのダメージもあまり感じられません。ほんの少しミッドソールにしわが入ったな、とは思うものの、反発力およびクッション性にはおおきな変化を感じられないのも事実。

ASICS Magic Speed・ミッドソールの劣化もはっきりとは感じられない
ASICS Magic Speed・ミッドソールの劣化もはっきりとは感じられない

続いてソールの状態。ソール全体に貼られたゴムの耐久性が高いのか、ソールパターンの消失はほとんどない。ゴムがなく、ミッドソールむき出し部分は汚れが目立つものの、250km以上走っているとは思えないソール。

ASICS Magic Speed・250km以上走った後のソールの状態

どのくつでも、かかとよりの外側のソールが消耗しやすいのですが、その部分を見てもほぼほぼ摩耗を感じません。

かかと寄り外側のソールの減りもほとんど見受けられない
かかと寄り外側のソールの減りもほとんど見受けられない

着地するあたりの摩耗が少ないのだから、蹴り出す前足部のほうはさらに消耗が少ない。

前足部もソールの減りはほとんどない

ASICS Magic Speedの耐久性・まとめ

ぶっちゃけかなり驚きました、ここまで耐久性があるとは。400kmがランニングシューズの一般的な寿命と言われているようですが、Magic Speedの位置づけからもう少し耐久性は低いかと思っていました。アッパー、ミッドソール、アウトソールともに250km以上走っているという消耗度ではないですね。

カラーリングによっては1万円台前半で売られているMagic Speedですが、パフォーマンスといい、この耐久度。かなりコストパフォーマンスの高いランニングシューズですな。

Hoka One One Clifton 8 (WIDE)のレビューと耐久性

2足めは、これまた200km以上を走破しているホカオネオネ(以降「ホカ」と表記)の代表的なシューズ、Clifton 8です。冬、足元が寒いときに厚手のメリノウールソックスを履いて走るため、ワイドサイズをチョイス。
ちなみにカラーリングは、期間限定で販売されたFarther Together Pack。このカラー、気に入っていて後ほどレビューするMachでもこの色をチョイス。

走行距離200km以上のHoka One One Clifton 8 WIDE

Hoka One One Clifton 8 (Wide)のレビュー

ホカのアイコニックな存在でもあるClifton 8。マシュマロのようなクッション性と軽さをもちながらも、ある程度スピードを出してももっさりしないのが魅力。ホカ特有のメタロッカー構造は、Magic Speedよりもロッカー構造は弱いように感じるものの十分な屈曲剛性があり、やはり体重の移動だけで推進力が得られます。

アッパーはかなりしっかりとしていて、やわらかくがっちりと足にフィットしてくれるのもポイント。

でもやはりこのシューズのポイントはマシュマロのようなクッション性でしょうね。いまこれを書いている現在、足の裏に痛みがありますが、そんなときでも走れてしまうような柔らかいクッション。通常時であれば故障防止にも役立つかと。

出典:ホカオネオネ・クリフトン8公式ページ

ただ、WIDEサイズのサイズ感は少し注意が必要です。厚手のメリノウールソックスを履いて走るように買ったのでワイドサイズをチョイスしていますが、通常のソックスだとやはり足幅が合わず、走ると足の親指の外側にマメのようなものができてしまう。ただ「足幅が広い」からといってワイドサイズを選んでしまうと、合わない可能性があります。しっかりフィッティングの上購入することをお勧めします。

Hoka One One Clifton 8の耐久性 (200km以上走破後のシューズの状態)

すでに200km以上を走っていますが、Magic Speedと同様に、アッパーには何の劣化も見られません。美しいカラーリングもあいまって、シューズをしっかりと洗うと外見上は新品とあんまり変わらないなあ。

ミッドソールの状態は、こちらも若干のシワが見て取れるものの、致命的なダメージは皆無です。特有のマシュマロクッションも劣化している感じがしません。

アウトソール寄りに少しシワが見られるものの、ミッドソールはまだまだ元気

続いてアウトソール。Cliftonはアウトソールのよく消耗する部分にラバーが貼り付けてあります。このラバーが効いているのか、アウトソール全体にも顕著なダメージは見られません。

200km以上走ったHoka One One Clifton 8のアウトソール消耗具合
200km以上走ったHoka One One Clifton 8のアウトソール消耗具合

が、やはりよく着地するヒールより外側のラバーだけは少しダメージがあり、ラバーに入ったパターンがなくなりかけています。とはいえ、ラバー全体がなくなってしまうまでにはまだまだ時間が掛かりそう。
外側、EVAミッドソールがむき出しになっている部分は角が削れて毛羽立っていますね。このあたりはやはり消耗しやすいのか。この部分の減りは左右均等ではなく、僕の場合はどうも右足のほうがヒール寄り外側で着地してしまうことが多いみたいだ。

アウトソール、かかと寄り外側のラバーはグリップパターンが消え始めている
アウトソール、かかと寄り外側のラバーはグリップパターンが消え始めている

一方の前足部、こちらは消耗度はまだまだ元気。ラバー4段のうち下から2段目あたり、ミッドフット部分のラバーにはすこし消耗が見られるものの、まだまだ大丈夫そうですね。

Hoka One One Clifton 8・200km以上走っても前足部のアウトソールはまだまだイケる
Hoka One One Clifton 8・200km以上走っても前足部のアウトソールはまだまだイケる

Hoka One One Clifton 8 (Wide) の耐久性・まとめ

Clifton 8も、かなり耐久性のあるシューズといって良さそうです。消耗の激しそうな部分に配置されたラバーが効果的にアウトソールの劣化を防いでくれている印象。ですが、EVAミッドソールむき出しの部分は、やはりかなり柔らかい素材でできているため、その部分の消耗が耐久性と大きく関連しそうです。
僕はたまたまラバーの部分がしっかりと減っていますが、EVAの部分を使うような走りになってしまうと、耐久性は結果的に落ちてしまうのではないかと思います。

EVAに多少の毛羽立ちはあるものの、この程度ではマシュマロクッションには何の影響もなし。このシューズも、倍の距離くらいはよゆうで耐えられそうだ。Hokaも新カラーが頻繁に登場するゆえ、過去のカラーが安くなったりします。安く買えば、相当長い間機能を果たしてくれることでしょう。

長くなるので続きは後編に

という感じで、それぞれの走行距離によって劣化具合を見ていこうかと思っています。
ちょっと長くなってしまいそうなので、続きは後編として後日まとめたいと思います(追記:後編追加しました)。

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